2024.02.03

埋葬の歴史~お花を添える大切さ

みなさんこんにちは。
終活相談室の石川です。

今日は、埋葬の歴史についてお話したいと思います。

埋葬の歴史は今からだいぶ遡って、10万年以上前と言われています。
私たち人類がサルからヒトとなったのは、今から300万年以上前のことです。
2本足で歩くようになり、大きな進化を遂げてきたわけですが、その進化の一つが物質の変化です。例えば、石のような道具から始まって、槍、弓矢、鉄砲、というような変化、物質が進化していきました。それと共に、もう1つ変わっていったのが「精神」である「心」の変化です。
なかでも、仲間の亡くなった死を弔う気持ち、死をいたむ気持ちは、唯一人間だけが「埋葬」という具体的な形で残してきました。
最も人間らしい行為の1つが「埋葬である」ということなんです。

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埋葬を一番初めに行なったのは、10万年前のネアンデルタール人です。
テキサス農業工科大学のラルフ・ソレッキ教授は、イラクのシャニダールという洞窟でネアンデルタール人の人骨を調査したところ、調査中に人骨の周りから大量の花粉が発見されました。
洞窟の中になぜ花粉があるのだろうか。なぜだと思いますか?

花粉が見つかったのは、ネアンデルタール人が死者に花を手向けたからだと言われています。
所説は色々あるのですが、たまたま花粉が紛れ込んだとは思えない数の花粉と共に発見されたことから、それまで野蛮だと思われていたネアンデルタール人が実は亡くなった人へ弔う気持ちとしてお花を飾って、埋葬をしていたのではないかと考えられるようになったんですね。
石でも小枝でもなく、お花を手向けたのも、お花が美しいと感じたからですよね。
こういった「仲間の死を悲しみ、弔う行為」が葬送儀礼の始まりではないでしょうか。

10万年以上も前からお花を添えて亡くなった人を思いやる気持ちを持ちが、現在まで受け継がれているって考えると、すごく素敵だと思いませんか?

歴史を辿ってみることで、改めてお墓参りにお花を添える大切さを感じます。
ぜひお墓参りに行くときは、亡くなった方をイメージしたお花や、思い出のお花を添えてあげるみてはいかがでしょうか。

※参考文献 
NHKスペシャル 驚異の小宇宙 人体II 脳と心 第1集 心が生まれた惑星~進化
1.心が生まれた惑星〜進化〜